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LANフリーおよびサーバー・フリー・バックアップの概要

優れたバックアップおよびリカバリ機能に対するより効率的なデータ保護機能

企業内データが、事業資産としてより重要な価値をもつにつれ、その安定性および保護機能の充実がますます重要となってきます。バックアップ・ウィンドウが縮小し続ける一方で、急速に増大するデータのバックアップという課題に、多くの企業が直面しています。実際、企業の多くがコスト効率を考慮しながら、希望通りの頻度ですべてのデータをバックアップすることは不可能であると判断しています。そして企業は、多岐にわたるデータの「重要度」に応じ、各企業データに対し異なるバックアップ戦略の施行を強いられる結果となりました。


図1. 各サーバー用の専用ストレージ・リソースを持つ従来のバックアップおよびリカバリのモデル

従来のバックアップおよびリカバリのモデルには、各固有ホスト・サーバーに対する専用ディスクおよびテープが設定され、ローカル環境に接続されたテープ・ドライブまたはライブラリへ、各ホスト独自のデータがバックアップされていました(図1参照)。このデザインでは、テープ・リソースを充分に有効活用できません。つまり、あるサーバーのテープ・ドライブがアイドル状態であっても、他のサーバーはそれを使用できません。加えて、各オペレーティング・システムのプラットフォームにおいて、固有のバックアップおよびリカバリ用アプリケーションが使用される傾向にあり、結果としてリソースの全体にわたる管理、およびバックアップとリカバリ処理自体も複雑化してしまう原因となります。またディスクおよびテープ・システムは低速で信頼性が低く、今日の企業ストレージシステムの需要を満たすには不十分なサイズとなっていますが、その一方で多くの企業が、個別のサーバーに対して、より高速で信頼性の高いストレージ・リソースの導入を行う余裕がないのも現状です。


図2. ストレージ・リソース制御用の主要サーバーをともなう、LAN上の従来のバックアップおよびリカバリのモデル

専用テープ・デバイス方式のいくつかの欠点を解消するための、さらに発展したバックアップおよびリカバリに対する従来のアプローチには、エンタープライズ指向のバックアップおよびリカバリ・ソリューションの導入が含まれます(図2参照)。一般的に、このソリューションには、テープ・リソースの制御を行う主要バックアップおよびリカバリ・サーバーが含まれます。精巧なアプリケーション(VERITAS NetBackup、Legato NetWorker、Tivoli Storage Managerなど)により、バックアップおよびリカバリ処理が制御されます。バックアップ・サーバーは、LANまたはWANを介して他のサーバーからデータを受け取り、そのデータを集中管理されているディスクおよびテープ・リソース内に保存します。この集中管理方式により、優れたコスト効率で高速、高信頼性のテープ・ドライブおよびライブラリの導入を行いながら、より効率的なテープ・リソースの活用を実現できます。

このアプローチの主な欠点は、バックアップおよびリカバリ処理に対しネットワークがボトルネックを引き起こす可能性があり、また、バックアップおよびリカバリ・ウィンドウに対応するためのシステムの能力に影響を及ぼすおそれがあるという点です。加えて、バックアップおよびリカバリを実行する目的での主要LANまたはWANの使用は、同じネットワーク上で稼働している生産用の作業負荷に対してパフォーマンス低下を招く可能性があります。

これとは対照的にSANはデータ・バックアップおよびリカバリ処理を簡略化し、必要に応じてすべての事業データの迅速なバックアップおよびリカバリを実現します。SANはバックアップ主体の環境、特に隔離バックアップ作業負荷に対する領域がはっきり定義されている場合において、大変理想的であるといえます。

Fibre Channelファブリックの100MB/秒の全二重スイッチ機能により、バックアップおよびリカバリのパフォーマンスを大幅に向上することができます。さらに、Fibre Channelは、IPベースのネットワークに比べ、より効率的かつ信頼性の高い方法で大規模なデータ・ブロックを転送できるようにデザインされています。SANベースのバックアップおよびリカバリ・システムの一般的な2つのモデルには、「LANフリー」および「サーバー・フリー」バックアップおよびリカバリがあります。


図3. SANベースのLANフリー・バックアップおよびリカバリ・モデル

バックアップおよびリカバリ処理からLAN環境を取り除くことで、様々な恩恵を得ることができます。サーバーは、独自のバックアップ・データをネットワークを介してバックアップ・サーバーに送る代わりに、共有テープ・リソースに直接送れるように、SANに接続するテープ・ドライブおよびライブラリを導入することが可能です。ただし、プロセスの制御(バックアップおよびリカバリ・データのトラッキング処理)は、精巧なバックアップおよびリカバリ・アプリケーションが行います。またSANでは各サーバーから共有SANストレージに対して大量データ転送を行うことが可能ですが、LANはサーバー間の通信(データを除く)トラフィック用にのみ使用されます(図3参照)。結果として、より効率的なストレージ、サーバーおよびLANリソースの活用を行いながら、高速かつ拡張性および信頼性の高いバックアップおよびリカバリのソリューションが実現されています。


図4. SANベースのサーバー・フリーのバックアップおよびリカバリ・モデル

現在も進化し続けるSANのバックアップおよびリカバリの実装は、サーバー・フリー・バックアップおよびリカバリとして知られています。ホスト・サーバーを使用せずにストレージ・デバイス間(例:ディスクからテープなど)に直接データ転送が行われます。この処理は、3rd-Party Copyと呼ばれる最新テクノロジーによって実現され、SANアプライアンス(CrossroadsまたはPathlight bridgesなど)、ホスト・システム(Legato Celestraなど)、または各ストレージ・デバイス自体(将来的に実現予定)に実装されます。サーバー・フリー・バックアップおよびリカバリにより、アプリケーション・ホストのCPUサイクルを大幅に軽減、つまり貴重なCPUサイクルを解放することで、運用効率の向上および事業内における高い作業負荷への対応が実現されます(図4参照)。しかし、これは現時点で発展途中のテクノロジーです。生産レベルでのバックアップおよびリカバリをサポートするためには、さらに進化したオペレーティング・システム、データベースおよびアプリケーションとの統合が必要となります。

LANフリーとサーバー・フリー・バックアップおよびリカバリ環境の利点は、計り知れません。たとえば、北米にある大規模な病院では、Windows NT Exchangeサーバー環境に対してLANフリー・バックアップ・ソリューションを展開後、バックアップ・ウィンドウを18時間から4〜6時間にまで短縮することに成功しました。他の企業でも同じような結果が得られています。

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